マスカット・ベーリーAの赤ワインの選び方|おすすめ日本ワイン
Vin de Japan編集部公開

日本を代表する赤ワイン用品種マスカット・ベーリーA。本記事では、品種の歴史や特徴を整理しつつ、樽熟成や醸造方法、ブレンドなどの観点から自分好みの1本を見つけるための選び方を分かりやすく解説します。
日本の赤ワインを探すとき、まず目にする機会が多いブドウ品種がマスカット・ベーリーAではないでしょうか。「甘い香りがするイメージがあるけれど、どんな味わいがあるのか」「自分好みのボトルはどう選べばよいのか」とお悩みの方も多いはずです。
マスカット・ベーリーAは、親しみやすい果実味を持つだけでなく、樽熟成の度合いや醸造方法によって実に多彩な表情を見せてくれます。この記事では、品種の基礎知識とともに、ラベルや商品説明から好みの1本を見つけるための選び方を解説します。

日本を代表する赤ワイン用品種マスカット・ベーリーA
マスカット・ベーリーAは、新潟県上越市にある岩の原葡萄園の創始者・川上善兵衛氏が、ベーリーとマスカット・ハンブルグを交雑して生み出した品種です。1927年に交雑され、1940年に発表された歴史を持ち、2013年にはOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種名が登録されました。
このブドウから造られるワインは、一般にイチゴのような少し甘さを感じる果実香があり、タンニンが穏やかな仕上がりになるとされています。東北から九州まで広く栽培されており、国税庁の調査では、日本でワインの原料として受け入れられた赤ワイン用品種の中で受入数量が最も多い品種となっています。主要産地は山梨県です。
当サイト『Vin de Japan』では、マスカット・ベーリーAの赤ワインを全424本(129ワイナリー)収録しています。産地別の内訳を見ると、山梨県を中心に各地のワイナリーで醸造されていることが分かります。
- 山梨県:185本を収録しています。Vin de Japanに収録している中で最も多くを占める主要産地です。
- 山形県:45本を収録しています。
- 長野県:41本を収録しています。
- 広島県:16本を収録しています。
- 栃木県:15本を収録しています。
マスカット・ベーリーAの赤ワインを選ぶポイント
マスカット・ベーリーAの赤ワインは、産地や収穫後の仕込み方によって香りや飲み口が大きく異なります。ボトルの商品説明を手がかりに、次の3つのポイントに注目してみましょう。
1. 樽熟成による風味とボディ感
ワインの熟成アプローチは、味わいの深みや香りに変化をもたらします。木やバニラのニュアンスをほんのりまとわせた軽快なタイプがある一方で、小樽で8ヶ月間熟成させてスパイス感を調和させた銘柄もあります。さらに、最高級の樽で2年2カ月におよぶ熟成を経てフルボディに仕上げたワインも存在するため、好みの飲みごたえに合わせて選んでみましょう。
2. 醸造や発酵方法のこだわり
造り手による発酵工程の違いも、味わいの個性を知る大切な手がかりです。たとえば、アルコール発酵後に小樽で乳酸菌発酵を行わせて口当たりに柔らかさを生み出す手法があります。また、自然酵母を用いて足踏み破砕を行うなど、ナチュラルな醸造へのこだわりを持つボトルも見られます。
3. 産地のブレンドや独自のスタイル
マスカット・ベーリーAには、単一産地のクラシックな赤ワインにとどまらないユニークなアプローチも存在します。山梨県や山形県といった複数産地のブドウをブレンドして飲みやすさを引き出した銘柄のほか、フレンチブランデーを加えた酒精強化ワインをベースにオレンジや昆布を浸潤させたフレーバドワインのような甘口の試みもあります。
編集部が選ぶ、マスカット・ベーリーAの赤ワイン6選
『Vin de Japan』に収録しているマスカット・ベーリーAの赤ワイン424本の中から、6本を選びました。(※評価や順位付けではありません)

まとめ
マスカット・ベーリーAの赤ワインは、品種特有の甘やかな果実香や穏やかなタンニンをベースにしながらも、樽熟成の期間や発酵の手法、さらには独自の仕立てによって幅広い味わいが展開されています。
気になる1本を見つけるためには、まずボトルの説明文に書かれた熟成アプローチや発酵方法、ボディ感に目を向けてみてください。合わせたい料理やお好みのシーンを思い浮かべながら、表情豊かな日本ワインの魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。
出典・参考資料
- マスカット・ベーリーAのOIV登録 -その背景と種苗特性調査-(日本醸造協会誌 第109巻第9号(2014)/1.マスカット・ベーリーAと川上善兵衛(p.624))
- Passport data - MUSCAT BAILEY A(Vitis International Variety Catalogue (VIVC)/Pedigree / Breeder)
- 酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和7年) 3 ワイン製造業(国税庁/表51 原料用生ぶどうの品種別の主要産地及び受入形態の明細(p.54))
件数・本数はVin de Japanに収録しているワインの範囲で集計したものです。 価格・在庫は各販売サイトで最新の情報をご確認ください。











